経験という知識

sopronオーストリアに接するハンガリーの中世都市ショプロン。

戦火を免れたため、ゴシック様式やバロック様式などの歴史的建造物が連なり、中世の面影を感じられる美しい街です。

街なかには歯医者や眼鏡屋が至る所に見られます。

それは、オーストリアの人が国境を超えて治療費の安い歯医者や眼鏡を作りにこの街に来るからだそうです。

一方、ショプロンの大半の人は、オーストリア側へ通勤して仕事に行くとのこと。

賃金や物価格差のある国同士が接している街ならではなのでしょう(ハンガリーの平均月給7-8万円程、一方オーストリアの月給は日本とあまり変わらないそうです)。

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ショプロンの街には、馬車が使われていた時代の建物がそのまま残っていて、現在も使われているので(私が泊まったホテルも1893年に建てられ増改築されたものでした)、馬車が使われていた名残りをあちこちで見ることができました。

道路に面する各建物の入り口には、大きな門扉がみられますが、以前は馬車がこの門をくぐって、中庭に停めていたそうです。

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どおりで門扉が大きいわけです。

現在は馬車ではなく、車がこの門扉を通って中に入っていきます。

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門から中庭までの途中には、御者(馬車の前部に乗って馬を操り、馬車を走らせる人)が待機する場所だった窪みも見られます。

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馬車のための大きな門扉や通路、御者待機場所などは、ガイドさんに教えて頂いたので、その目的に合わせたものだと認識できるようになりました(その後訪れた各地でもそれらを目にしました)。

中世に建てらた建物も、その後に増改築がされて、一つの建物にゴシック様式やバロック様式などが混在していたのですが、それも教えて頂いてはじめて認識できるようになりました。

これらは説明を聞いていなければきっと分からなかったことです。

このショプロンの街は、「知識が無いと認識できない」ということを多く体感できた街でもありました。

知識を得るためには本をたくさん読むことももちろん大事なことですが、経験も知識に含まれますので、新たな地を訪れるなどの経験を踏むことも、知識を増やすためにはとても有用な方法です。

(ここのところ連日、旅の記事を書いていますが、書いてある知識のほとんどは旅に行く前には無かった知識であることからも、経験も知識であることが分かるでしょう。しかも書いてあるのは旅で得られた知識のごく一部です)

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