一杯のコーヒー

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コーヒーが好きで、コーヒーのことをもっと深く知り、自分でももっと美味しく淹れられるようになりたいと、コーヒーに関する本をたくさん取り寄せ読んでいます。

いわゆるコーヒー本の中には、コーヒーの淹れ方だけでなく、コーヒーの歴史や種類や栽培方法、コーヒーに携わる人々について書かれたものなど様々なタイプのものがあります。

そして、コーヒーに関する本を読めば読むほど、知識が増え、コーヒーに関するゲシュタルトが大きくなっていることを実感しています。

コーヒーに携わる人々の中には、コーヒーの鬼、コーヒーの御三家、コーヒーハンターなどと呼ばれている凄い先人もおり、コーヒーに人生を捧げた彼らの物語を通じて、コーヒーがどういったものなのかをより深く知ることができたと感じています。それらの情報は自分がコーヒーを選んだり、飲んだり、淹れたりといったコーヒーの接し方に少なからず影響を与えています。

そうやってコーヒー本を読むことで、コーヒーに関する知識は、これからも増えていき、コーヒーにより詳しくなっていくであろうということも感じています。

一方で、どれだけコーヒー本を読んで知識を増やしていっても、実際にそのコーヒーを飲んでみないと分からないことがあることも痛感しています。

どんなに詳しく丁寧に書かれたコーヒー本よりも、実際の一杯のコーヒーを飲むことでしか得られない情報が必ずそこに存在するからです。

 

このことは、コーチングにおいても全く同じことが言えると私は常々思っています。

コーチングに書かれた本を読めば、コーチングに関する知識を得ることはできるでしょう。

コーチングに関するたくさんの本を、そしてそれを繰り返し読めば、コーチングに詳しくなるとも思います。

でも、コーチからコーチングを実際に受けたことでしか得られない情報が必ずそこには存在します。

そしてその情報の中にこそコーチングのエッセンスが凝縮されています。

コーチングってこういうものなのだというのは、コーチから実際にコーチングを受けて、初めて体感を伴って理解できることがあります。

それは、まるで一杯のコーヒーを実際に飲んだ時のように。

もちろんそれができるのがプロのコーチです。

 

私はコーチングセッションやコーチング講義など、いつもリアルの場を大切にしています。

その理由は、同じ場を共有することでしか伝えられない情報があるからです。

そしてその大切な情報は言語の形では表現されていないものがほとんどです。

言語では表現されていないけれども、場を共有すれば、なるほどこういうものだなと伝わり理解できるものがあります。

特にこれからプロのコーチとして、他人の人生に関わる人に対しては、尚更そういった情報が重要になります。

 

マスターコーチとしての私は、コーチを養成するのが役割です。

マスターコーチとして、コーチングに関して勉強をし、研究し、知識を深めて続けていくことは当然のことです。

でも大切なことは、そうやってコーチングの知識を深めることを目的化せず、これからコーチになる人達に、自分が淹れる一杯のコーヒーを実際に飲んでもらい、コーチングって何かということを、その一杯を通じて伝えていくことだと思っています(ここでの一杯のコーヒーは、コーチングのセッションや講義にあたります)。

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