洗濯物にカナブンが飛んできました。より正しくはカナブンが飛んでいる途中に障害物として洗濯物のTシャツがありそこに止むを得ずとまったという感じですが、カナブンの気持ちは分からないので推測するしかありません。
天気が良かったのでお散歩がてらにご近所を飛んでいるようにも見えましたが、そう見えたのはこちらが日向ぼっこをしていたからでしょう。
きっとカナブンはそんな悠長な理由からではなく、生き延びるために食料を求めて必死に飛んでいたのが本当の所だと思います(これも残念ながらカナブンには確かめられませんでした)。
Tシャツの袖ではなく胸の辺りにとまってくれればブローチみたいに見えるのに、と思うのは僕のワガママ以外の何物ものでもないでしょう。
カナブンは、自分がカナブンだと名付けられているなんて、全く知りもしないでしょう。
カナブンは、昆虫網コウチュウ目コガネムシ科カナブン族ハナムグリ亜科に分類されてるなんて知ったら、ビックリして腰を抜かすにちがいありません(カナブンに抜かすための腰がないのが幸いです)。
カナブンにはカナブンの世界があり、人間には人間の世界がある。
カナブンの世界は僕の理解を超えていますが、カナブンにとっては人間の世界があるということすら思ったことはないでしょう。
こうやって目の前でお互いに影響を与えあっているにも関わらず、その世界はあまりに違いすぎています。
カメラにおさめるためにシャッターを切ると、カナブンはこれから僕にポーズをあれこれ指示されるのを察知したのか逃げるように飛び立って行ってしましました。
カナブンを見ながら色々と考えているうちに、こういうことは相手がカナブンでなくても人間同士でも起きうることかなと思いました…