日経平均株価が一時20,300円を超え、年初来高値を連日更新しています。株価が好調だから株でも買ってみようかと思っているとしたら「フラッシュ・ボーイズ」という本を読んでから判断した方がいいかもしれません。
この本によると、いまや証券市場はナノ秒=10億分の1秒という単位で勝負して取引する超高速取引業者がメインプレイヤーになっています。
10億分の1秒という長さは、人間が知覚して、評価をして、判断を下せる時間ではありません。100万分の1秒でも無理でしょう。
超高速取引業者とは、事前にプログラムを組んで、1秒間に数千回の注文を繰り返して利ザヤを稼ぐ業者のことです。
超高速取引業者は、人間が知覚して判断する前に、その取引を終えてしまっています。
これでは一般投資家はカモにされるだけです。
証券市場は巨大な金額が動く場ですが、そのほとんどは実態の経済とはかけ離れた、単なる数字とプログラムの世界です。
私はそれを「空業の世界」と読んでいますが、「空業の世界」では一般投資家はまず勝てません。
「空業の世界」はゼロサム・ゲームなので、誰かが勝てば、必ず誰かが負けています。
一般投資家が一時的に利益を上げて勝てたとしても、長期的にはまず負けるでしょう。
「空業の世界」は、どうも楽して稼げそうな感じがする(楽して稼げそうに売り込む人がいる)ので、その世界に魅力を感じて手を出す人が多いのも事実です。
でもそれは単なるバクチ以外の何物でもないでしょう。
お金から自由になろうとしてそういうバクチに手を出す人が多く、結局は全く自由になっていない、むしろますます不自由な人が増えているという危機感から、価値を生み出す人=’実’業家としてのマインドを身につける「’実’業家塾」を今年2月から立ち上げました。
お金や時間から自由になりたければ、価値を生み出すマインドを身に付ければいいのです。
そうすれば、世の中に価値を提供しながら、必要なお金を必要な時に自らが作り出せるようになります。
まずは「空業の世界」がどのようになっているかを知るためにも
「フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち」マイケル・ルイス著
を読んでみてください。