今年4月に開校したばかりの「プノンペン日本人学校」を訪問してきました。「プノンペン日本人学校」はカンボジア初の日本人学校で、世界では89校目の日本人学校です。
カンボジアでは、急速な経済成長や安価な労働力を背景に日本企業の進出が相次いでいます。
在留邦人は2,000人を超え数年で倍以上になっており、家族を同伴して赴任する人達からも日本人学校の設立が強く求められていました。
そこで、2013年にカンボジア日本人商工会などが日本人学校設設立準備員会を設置し、2014年12年に文部科学省の認定を受け、2015年4月に開校となりました。
まだ開校して2ヶ月の新しい学校です。
校舎は日本人補習学校で使用していた建物を改築したそうです。
以下は学校内の様子です。
職員室の扉を開け、中に入ります。
職員室を通りぬけ階段を上がった2階に校長室がありました。
出迎えて頂いたのは、三浦信宏校長先生。
日本の小学校や中国の日本人学校でも新設校の経験があるそうです。
新設校は環境整備やルール等を一から作る必要が有るため嫌がる先生が多いそうですが、三浦先生は一から築き上げるのが性に合っているそうで(歴史のある学校だと前例主義になりやすくやりづらいとのこと)、新設校ならではの困難な業務も楽しみながらこなされていました。
「先生がまず楽しまなくっちゃね」という言葉が聞けとても嬉しく感じました。
そういう先生ばかりだといいですね。
校長室の中には、この学校の取材記事などがたくさん貼られていました。新設の日本人学校ということもあり注目度が高いようです。
学校教育目標が単なるお題目にならないよう、学校の先生、生徒と共有する工夫をしているとのこと。
「知的遊園地」のような学校作りを目指されているそうです。
現在、生徒数は小学部18人、中学部3人の合計21名。教職員は14人と先生の数が充実しています。
認定日本人学校といえども私立学校なので、学校経営を考えると40人の生徒は必要だそうで、三浦先生も生徒数を増やしたいとしきりに仰っていました。
生徒の保護者の方が描かれたポスターのデザインが素敵です。
三浦先生のご案内で学校の設備を見せて頂きました。
まずは小学校1年のクラス(生徒数5名)です。
入学したてなので「おめでとう」の桜の花びらが。
中に入ると、小さな椅子と机、そしてカラフルな掲示板が目に入ってきました。
なんとか私も座れました。
小学1年から学び直すとしたらちょっと大変ですね。
続いて中学2年生の教室へ。
2年生は生徒が1名しかいないため、先生は生徒の目の前に座るのではなく斜めに座って威圧感を与えないように工夫しているとのことでした。
家庭科室や理科室もあります。
続いて音楽室です。
音楽を担当している舞鴨先生がいました。
ちょうど子供たちが出しあったキーワードを元に作詞作曲をした歌が出来上がったところだそうで、演奏して聞かせて頂きました。
こちらが子供たちが出しあったキーワード。
「過去」「現在」「未来」から連想する言葉を書き込んでいったそうです。
続いて校庭へ。
屋根が付いており広く感じました。
フットサルのコートだったそうです。
地面がコンクリートなので芝にしたいのだけれど、予算が今のところ無いとのことでした。
三浦先生ならその方法も見つけてきそうです。
図書室もあります。
まだ蔵書が少ないので、寄贈していただける本を要望されていました。
寄贈できる本をこれから集めたいと思っています。
生徒たちが育てている植木鉢も。
この学校とともに何が育つか楽しみです。
またカンボジアを訪れた際には是非この学校を再訪したいと思います。