職人さんが刃を一つひとつ目立てて作った銅のおろし金。この銅おろし金で大根おろしを作ると今までの大根おろしのイメージが覆されます。
大根おろしってこんなに美味しかったのかと。
手製の銅おろし金は、機械で作られたものやプラスチックのおろし金と違って、食材の繊維だけを切って組織を必要以上に壊さないので、大根おろしが水っぽくならず淡雪のようなホワホワに仕上がります。
口当たりもよくまろやかで柔らかい大根おろしは格別です。
刃をよく見ると、機械のものは一直線に均等に並んでいますが、手製のものは目が揃っていません。
それが美味しくおろせる秘密でもあるようです。
更に機械性の一直線のものはかえって目が詰まりやすくおろすのに力が入りますが、手製のものは力がほとんどいりません。
機械性やプラスチックなどのおろし金と比べると値段も高いですが、手製のものは目立て直しができるので長い間使い続けることができます。
ただ目立てができる職人さんは日本にもう数人しかいないようです。
東京で唯一人となった銅おろし金の職人、勅使川原 隆さんの作業風景をどうぞ。
手間と時間が掛かった手製のおろし金は、今までのビリーフを変えてくれると共に、その値段以上に素晴らしいもの、豊かさを与えてくれるなと感じています。