今年は申年。申年にちなんで実家には「見猿聞か猿言わ猿」の色紙が飾られていました。日本での「見猿言わ猿聞か猿」は日光東照宮のものが有名ですが、世界各地にも同じような三猿(Three wise monkeys)が古くからあるようですね。
「見ざる聞かざる言わざる」という諺は、「とかく人間は自分にとって都合の悪いことや相手の欠点を、見たり聞いたり言ったりしがちだが、それらはしないほうがよいという戒め」を意味しています(「故事ことわざ辞典」より)。
英語では’See no evil, hear no evil, speak no evil.’という諺があるそうです。
猿が手で塞いで表現しようとしているものは、何をスコトマ(心理的盲点)にするべきかを表していると言えるでしょう。
そこで、コーチングの言葉を使って解釈や言い換えを試みてみると、
「ゴールに関係ないことは、見たり聞いたり言ったりしてはいけない」
「自分(そして他人)のエフィカシーとセルフ・エスティームを下げるような発言を、見たり聞いたり言ったりしてはならない」
「自分(そして他人)の未来のやりたいこと(可能性)を考えるにあたって、過去を見たり聞いたり言ったりしてはならない」
「現状維持するための情報を見たり聞いたり言ったりしてはならない」
などが浮かんできました(他にも上手い言い換えがあったらコメントで教えて下さい)。
更にこれをアファメーションとして取り入れるとしたら、アファメーションでは否定形は使わず肯定形で表現するので、
「私は、ゴールに関係することだけを見て、聞いて、言っています」
「私は、常に自分そして他人のエフィカシーとセルフ・エスティームを上げるような言動だけを見たり聞いたり言っています」
のようにするといいでしょう。
とかく戒めの諺などは否定形が使われることが多いので、かえってその避けるべき対象に臨場感を持ってしまいます。
そうすると起きてほしくないことばかりが起きてしまいます。
(都合の悪いことや相手の欠点を見たり聞いたり言ってはいけないというと、都合の悪いことや相手の欠点ばかりが目に付きます)
申年の今年、猿を、自分が否定形を使って望まない現実を実現していないかを意識に上げるためのトリガーとして使ってみるもの良いかもしれません。