目覚めの一杯のコーヒーはどこから来るのでしょうか?それは魔法のように目の前に忽然と現れるわけではありませんね。誰かがどこかで作り、運ばれ、淹れて目覚めの一杯が出来上がります。では、誰がどのように各プロセスにかかわっているのでしょうか。それを詳しく知るべく今朝は目覚めの一本の映画を観てきました。
その映画は『A FILE ABOUT COFEE』。
『A FILE ABOUT COFEE』は、「From seed to cup(種からカップまで)」における各工程に携わる求道者のようなプロフェッショナル達にスポットを当てながら、一杯の究極のコーヒーが出来るまでを追いかけるドキュメンタリー映画です。
コーヒー×ドキュメンタリー映画、私の好きなもの2つが掛け合わさった映画とあって、これは観に行かないわけにはいきません。
この映画で取り上げるコーヒーは、「質より量」という従来のコーヒー業界(コモディティーコーヒー)のカウンターとして登場した「スペシャルティコーヒー」(スペシャルティコーヒーは豆の栽培から抽出までの全工程の品質管理を徹底しており「量より質」を重視しています)。
最高に美味しい「スペシャルティコーヒー」一杯ができるまでに、どんな人達がかかわっているのかを知るために、この映画を観て、コーヒーを巡る旅に出かけてみましょう。
鑑賞後は、コーヒーが単なる棚に並べられた規格品でもなければ、茶色い良い香りがする液体でもなく、大切で愛おしい生きものにさえ見えてくるでしょう。
そして、コーヒーを入れる際にコーヒー豆一粒でも無駄できないなと思えてくるはずです(コーヒー豆一粒一粒は誰かがその手で手摘みしているのですよ)。
特にコーヒー好きではなくても、この映画を観れば消費に対する考え方が変わってしまうかもしれません。
『A FILE ABOUT COFEE』には、コーヒーに並々ならぬ情熱を掛けているプロフェッショナル達が登場しますが、一番嬉しかったのはコーヒー業界における伝説の人物、大坊勝次さんのコーヒーを淹れる所作を見れたことですね(『大坊珈琲店』は2013年12月に惜しまれながら閉店。この映画には閉店前に撮影された店内と大坊さんが豆を焙煎し、コーヒーを淹れる貴重な映像が納められています)。
全てが美しいの一言です。芸術作品のような所作と佇まいからは、非言語で沢山のことが学べるでしょう。
「コーヒーをつくる人がいれば百人いれば、百通りのこだわりがあり、飲む人が百人いれば、百通りの好みがあります。誰にも一家言があり、世界の人がうんちくを語る、コーヒーは自由です。」大坊勝次(パンフレットより抜粋)
大坊さんは、数十年コーヒーに徹底的にこだわって、その味を追求してきたにもかかわらず、それを押し付けることなく、味わいはプラーベートな感覚でコーヒーは自由です、と言ってしまえるところが凄いですね。
他にも魅力的な一流のプロフェッショナル達がこの映画には登場しています。
何かを極めたいという方にも得るものが多い映画だと思います。
映画『A FILE ABOUT COFEE』は、東京では「新宿シネマカリテ」にて1/22まで上映です。
他の場所での上映は、http://www.afilmaboutcoffee.jp/theater/を参照して下さい。
鑑賞後、春以降はこの映画の自主映画上映も解禁になるようなので、「Liberty Cinema Club」で最高に美味しいコーヒーと共に上映をしたいと思いました。
さて、どこで上映しようかな。
素晴らしいスペシャリティーコーヒーを提供しているカフェがいいかな。
『A FILE ABOUT COFEE』上映に向け、私と「リバティーシネマ倶楽部」のメンバー、そして皆さまのRASが開き始めましたよ。