銀色に光る一枚の平坦な板。これは何でしょう?
この金属の板を持って手でクネクネと曲げると、
なんとお皿になります。
この金属の板は、100%錫(すず)でできています。
100%の錫はとても柔らかいので手で簡単に曲げることができて、好きな形に変えることができます。
でもこれは単なる錫の板ではなく、熟練の錫職人さんが何回も金槌で叩いて圧延を繰り返したものなので、折り曲げによる劣化が少なくなったものです。
まるで折り紙のように折ったり、曲げたりすることができます。
曲げた後はコロで伸ばせば、また元の平坦な板になります。
そしてまた使う時は手で曲げて、載せたい物をイメージしながら自由にお皿を作ることができます。
使う毎に自由に形を変えて使うことができるお皿。
無限のバリエーション。
実物を手にした時、思わず感嘆してしまいました。
この錫のお皿は、寺院用の’りん’を製造している会社が立ち上げた新ブランド「syouryu」が手がけたものです。
りん職人さんは、現在10人もいないそうです。
そのりん職人さんがリズミカルに金槌でたたきながら作った「すずがみ」。
(作業風景は次の動画をみて下さい)
‘りん’という古くからあるものを作る中で培われた技術から、自由に発想してつくられた「すずがみ」は、使い手によって更に自由にイメージされて使われていく。
そんな自由の連鎖が感じられるともに、お皿に対する常識から自由にしてくれる、素晴らしいお皿だと感じています。
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