池の上をアメンボが気持ちよさそうにスイスイと泳いでいました。たくさんのアメンボ達がまるで氷の上を滑るスケーターのようになめらかに思い思いに右へ左へと。そんな平和な池に、いきなり人が足を突っ込んだらどうなるでしょうか。
アメンボ達は目の前に唐突に足が現れてビックリし散り散りに逃げ出すでしょう。
足が現れるなんて、アメンボには全くの思いもよらない事で予想外のはずです。
なぜ予想外かというと、アメンボの関心や注意はほとんど2次元平面に限られているからです(多少高さはありますが人間の高さに対して非常に小さいのでここでは無視します)。
一方、人間からは池のどこにどれくらいの数のアメンボがいるのか、アメンボ達がどのような動きをしているのかを容易に把握することができます。
仮に人間が水面とほぼ同じ高さから池を見ていたら、アメンボが多少いるのは分かったとしても、その池全体のアメンボの様子を把握することはできません。
アメンボ達の様子を人間が容易に把握できるのはかなり上から池を見下ろしているからですね。
人間は2次元のアメンボに対して高さ方向の次元も持った3次元な存在といえます。
高い次元からは、低い次元を把握することができます。
でも逆は把握することができません。
ここで次元を抽象度と言い換えても同じことが言えます。
ここで抽象度とは物事を観る視点の高さです。
抽象度が高いトコロから、より低いトコロを整合的に観ることはできますが、逆ではランダムに観えます。
予想外というのは、突然そこにランダムな出来事が生じたということです。
もしその出来事から高い視点(抽象度)を持っていれば、予想外にはなりません。
予想外な出来事に出会ったら、その出来事より抽象度の高い視点は何かを探したり、考えてみてください。
そしてその高い視点を手に入れるようにしましょう。