コチ博物館を見学してるとコチ村の村長さんに馬車を牽いてみないかと突然言われました。
それまで、馬車は馬が牽くものだと思い込んでいたので、自分が牽くことになるとは想像すらしていませんでした。
村長さんがそう提案してくれたのは、どうやらコチ村では馬車を人が牽くレースを行うお祭り(コチフェスティバル)が毎年7月に行われており、人が馬車を牽くことで得られる体感や気付きを得てもらいたいからだと感じました。
その様子が下の写真です。数人組のチームで馬車を牽き1500mを競うとのこと。
コチ村では現在は馬車を作る職人さんがいないため馬車は作られていませんが、コチ村から始まった馬車の伝統を残していくために毎年お祭りを開催しているようです。
コチフェスティバルは、各地から馬車職人やレース参加者が集まり、日頃3,000人に満たない小さな村に大勢の人が集まるコチ村の一大イベントのようで今度是非来てみて下さいとお誘い頂きました。
私が今回牽いてみた馬車は、現在も荷物を運ぶために使われており、レースにも使われる250kg程度の馬車です。
大きな馬車は1tを超えるので、馬車としては決して大きくないものだと思いますが、ずっしりと重く、腰に力を入れ全身を使ってなんとか牽くことができました。
250kgの馬車を土の上で動かせたのは、きっと車輪とバランスがしっかりしているからでしょう。
ただ、一度窪みにハマってしまうと、踏ん張っても動かすことができなかったので、同行したコーチ達に後ろを押してもらい脱出することができました。
ここで踏ん張りすぎたのか、翌日にはしっかりと筋肉痛となりました。
博物館の庭は比較的均された土でしたが、昔の道路は今のように舗装されていなかったため、凸凹や轍、陥没、雨が降った後のぬかるみなどが当たり前のようにあったはずなので、馬車での移動は時には命がけであったのだと思います。
馬車を牽いてみて、馬の気持ちも、昔の人達の移動するための困難も少し分かったような気がします。
コーチ(Coach)の役割は、クライアントが目的地(ゴール)を決め、その目的地へ到達するためのマインドの使い方を教えることです。
それは時にクライアントの人生をすっかり変えてしまうことに繋がります。
そういった意味で、コーチは非常に重い責務を担っています。
私が今回馬車を牽いてみて全身で感じた重みは、そういったコーチとして人の人生にかかわる役割の重みに通じるものだと感じました。
更には、ゴールまでの道のりは決して平坦で舗装されている道ばかりではありません。
どんな道のりであったとしても、クライアントが目指すゴールへ引っ張っていくためには、コーチには凄い馬力が必要になることがあります。その馬力をも体感することもできました。
コーチの語源であるコチ(Koch)の地で、馬車(Coach)を牽く体験ができたことは、私のコーチ(Coach)としての役割を今後更に向上させるものであったに違いありません。
次にコチに来るときは、このコチフェスティバルに来る時かもしれないなと感じています。