ブダペストには地下鉄の路線が3本あります。路線ごとにM1(黄色)、M2(赤色)、M3(青色)と色分けがされており、中心部から放射状に伸びているので東京のような複雑さはありません。
路線M1は、ヨーロッパではロンドンについて2番目に古い地下鉄で、ハンガリー建国1000年を記念して1896年に開通したそうです。
建設当時の姿を復元した黄色い車両が走っており、建設当時の姿を今に感じられます。
ホームもレトロな雰囲気です。
車内の吊革は、その字のままに革でした。
地下鉄に乗るために印象に残ったのはエスカレーターです。
路線M2は、ドナウ川の下を通って走っている区間(ブタ地区〜ペスト地区)があるため、ホームが地下深くにあります。
そのホームに向かうエスカレターの勾配はかなり急で、長さもあり、上から見下ろすと奈落の底に向かっていくかのような印象を受けます。
さらに、スピードが日本の1.5倍ほどあるため、日本のエスカレーターの感覚で乗ると、かなり速いなという印象を受けます。
私は、日本のエスカレーターもこれぐらいのスピードだといいなと感じてしまいました。
なにせ、エスカレーターを歩いて先を急ぐ人が沢山いるぐらいですから。
ただ、エスカレータ?に乗り、手摺に手を載せていると、手がどんどん後方に下がっていきます。
日本では、手摺とエレベーターの速度はほぼ合っているので、手摺に置いた手は体の横にずっとありますのでそのことに気が付きませんが、日本のエスカレーターの精度はかなり高いのだろうとその時に感じました。
日頃、日本のエスカレーターに乗り慣れている私たちには、そのスピードが速く感じられましたが、ブタベストの地下鉄のエスカレーターに乗り慣れている人達には、たぶんそれほど速くは感じられないのではないでしょうか。
それは、このスピードに慣れているからです。
私達が注意深く、意識してエスカレーターに乗り込んでいるのに対し、現地の人達は自然に無意識に次々とエスカレーターに乗っていきました。
日本の1.5倍ぐらいのスピードであれば、自然と慣れてしまうし、それほど危険性も高くないのでしょう。
スピードに対して私達は高い順応性があります。
仕事でも同じです。
ゆっくりした仕事の仕方(処理速度、クロックサイクル)でも、周りがそのスピードで行っていればそれに慣れてしまいますし、逆に、周りの人達のスピードが速ければそれに慣れてしまうこともできます。
どんなスピードであれ、それに慣れてしまえば、それが自分にとって当たり前のスピードになります。
日頃どんなスピードで物事を処理しているでしょうか?
いつもと同じ環境、同じ人達と接していると、意外とそれに気づかないものです。
パフォーマンスを上げるためには、脳の処理速度を上げるのも一つの方法です。
脳の処理速度を上げるには、次の本が参考になります。
ただ、その速度は体感していた方がより効果がありますので、クロックサイクルの速い人と接する時間を長くする(一緒に仕事をしてみる)とより良い効果が速く現れるでしょう。