久しぶりにバスに乗りました。途中のバス停から乗り込んで来たおばあちゃんがバスの運転手さんに尋ねました。「Aへ行くにはこのバスでいいのかしら?」
「バス停Bで降りたら、交差点Cを渡って、お店Dのトイメンにあるはずです」と運転手さんが付けたマイクを通じて私の耳にも聞こえてきました。
「トイメン」との言葉を聞いて一瞬ギョッとしました。
「トイメン(対面、対門)」とは、麻雀卓の向かい正面の座席やそこに座っている人のことを指す麻雀用語です。
運転手さんは、お店Aはお店Dの向かい正面にありますということを伝えたかったのだと思いますが、はたして麻雀用語を知らない人に理解できるのかは疑問です(女性のスタッフに聞いてみたのですがトイメン??と理解できないようでした)。
同じように麻雀用語で「リャンメン(両面)」という言葉があります(麻雀では「リャンメン待ち」などと使ったりしますが、説明は省きます)。
私が会社勤めをしていた頃に「この資料、リャンメン(両面)でコピーしておいて」みたいな感じで指示をするおじさんもいました。
私は学生の頃、麻雀をやったことがあるので、直ぐにその意味がわかりましたが、麻雀をしたことがない人は「??」、「涼麺」と思ってお腹がグーっと鳴ってしまう人もいるかもしれませんね。
そのうち、私のゴールは「世界をピンフにすることです」というクライアントさんが来たら、腰を抜かしてしまいそうです。
「ピンフ」とは、同じく麻雀用語で上がり役の一つなのですが、漢字では「平和(ピンフ)」と書くからです(説明略)。
今回の話は、麻雀を知らない人には、ナンノコッチャかもしれませんね。
でも私たちは往々にして、自分の知っていることは相手も知っていることという前提で話をしていることがあります。
知識として持っていないものは、私たちは認識することができません。
これは当り前といえば当り前なのですが、実際のコミュニケーションの場面では、持っている知識が違うために起こるスレ違いや摩擦などのコミュニケーション不全に陥いっているケースが沢山あります。
コーチも、「知識のないものは認識できない」ということをしっかり理解していないと、クライアントに上手なマインドの使い方を教えることはできません。