昨日はイチローに関連する記事を書きましたが、一晩明けてみると、イチローは更に2安打を積み重ね、ピート・ローズの歴代最多安打4256本を日米通算安打数で超えていましたね。
歴代最多安打記録はイチローのゴールではなく周りがそれをゴール化している、ということを昨日書きましたが、今日のイチローの記者会見でもやはり自身でそれはゴールでは無かったと言っていました。
――4257安打を積み重ねた率直な感想から。
「ここにゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じは全くしていないんですけど、それでもチームメートだったり、記録の時はいつもそうですけどファンの方だったりと、ああいう反応をしてもらえるとすっごくうれしかったですし。そこですね。それがなかったら、何にも大したことないです」「イチロー“ローズ超え”日米4257安打 会見全文」2016.6.16 Full-Countより
イチローは記録というものをゴールにしていなからこそ、結果として次々と記録を塗り替えていっているのだと感じます。
ゴール設定は、コーチングにおいて(すなわち人生においてもですが)最も重要なものですが、ここを間違えると、ハイ・パフォーマンスも出ませんし、特に継続的なハイ・パフォーマンスは望めません。
仮にイチローにコーチが付いていたとして(ここでコーチとは野球のコーチではなく、マインドの使い方のコーチのことです)、イチローに「4257安打」というゴール設定をさせていたとしたら、この記録は出なかったと思います。
では、なぜゴールではないのにその記録が残せたのかというと、それはコンフォートゾーンだからです。
コーチングでは、ゴールとコンフォートゾーンの関係を理解することがとても重要です。
ここでコンフォートゾーンは、自己イメージやエフィカシーとも深く関係しています。
ただ、コーチングを学んでいる人でも、これらの関係性が上手く掴めていないのではないかと思われるケースが多く見られます。
このあたりは本だけで学ぶには少しむずかしい部分なのかもしれません。
理解ができていない場合は、プロのコーチをつけた方が良いでしょう。
コーチの人やコーチを目指している人には、イチローのような超一流の人をコーチングするとしたらどうするか、それをシュミュレーションすることはとても勉強になりますので是非やってみてもらいたいと思います。
イチローからコーチを頼まれることを想像して、ドキドキしてしまうようではダメですよ、それはコンフォートゾーンではないということですから。
「任せなさい」というエフィカシーがないと、その人のコーチングはできません。
それでも、イメージの中で繰り返しシュミュレーションをやっていくと、それに馴染んでいきコンフォートゾーンになっていきますので、是非コーチの人は、超一流の人に対してどうやってコーチングしようかなというイメージトレーニングをやってみてください。