スーツを作るために採寸をしてもらいました。胸囲、胴囲、腰囲、肩幅、袖丈、股下、腿回り、膝周りなどスーツを仕立てるために必要な身体の各部分の寸法を、スタイリストが手際よくメジャーで測っていきます。
その手慣れた採寸の仕方をみて「採寸は奥が深いのでしょうね?」とスタイリストへ聞いてみました。
「はい、こればかりは数をこなさないと上手くなりませんね」とスタイリスト。
「きっと、単にメジャーをあてて、身体測定のように各部位の長さを測るという感じではダメなんでしょうね」と私。
「はい、その通りで、一人ひとり身体の形が違いますし、胸囲といってもその胸のどの部分をどのように測るかで服にした時の仕上がりが全く変わってしまいます。
仕上がりをイメージしながらバランスにも注意を払いながら採寸して、実際に仕立ててみて、イメージ通りにできたかどうか。
その差異を何度も体験しながらその感覚を掴んでいかないと、本当の採寸はできないですね。
時には作り直しという痛い目にも合いながらその感覚が研ぎ澄まされていきます」とスタイリスト。
コーチングも同じような所があります。
コーチングセッションの中で、コーチングの理論をただ単に機械的にクライアントに当てはめてようとしても上手く行くとは限りません。
クライアント一人ひとり、そしてそのクライアント自身もどんどん変化していっていて二度と同じクライアントはいません。
そのように一人として、そして二度と同じクライアントはいない状況の中で、どのようにクライアントのマインドを測定して、コーチングの理論や技術を使っていくか。
その当て方の妙意は、コーチングセッションを沢山経験し、フィードバックをとりながら培われていくものです。