コチの旅を終え、日本の上空に差し掛かると、飛行機の窓から見える景色がいつもとは違うように感じられました。
着陸し、空港から街へ移動中に見える景色や人も、出発前とは違うような感覚を受けました。
いつもの見慣れた日本の景色や街並みが異国の地のように感じられるのです。
それは1週間ほどハンガリーとオーストリアに滞在していたため、そちらへの臨場感が強くなっている状態のためだと思います。
私がハンガリーやオーストリアで見た景色や人は、きっとその地に長く住む人達とは違うものでしょう。
私がその地に住んでいないからこそ、目に付いたり、気づいたこともきっとあったことでしょう。
私たちには見慣れているからこそ、かえって当たり前すぎて気づかないことが沢山あります。
一度見たものは二度は見ないという脳の機能により、記憶を使って見た気になっているだけで気づかないこともかなりの数にのぼるでしょう。
遠く離れた異国の地への臨場感を保ちつつ、住み慣れた日本を見れば、きっと今まで当たり前すぎてスコトーマ(心理的盲点)になって見えなかったものが見えてきそうな感じがします。
しばらくすると、すっかり日本への臨場感を取り戻し、その視点では見えないものが生まれてきてしまいそうです。
スコトーマを外すのに、今のこの感覚はとても大事なので、しばらく日本を長く住み慣れた所ではなく、異国の地だと思って日々を過ごし思考してみることにしました。
きっと今まで見逃していたものが見えてくるはずです。