喫茶店に行きコーヒーが出されました。その出された目の前の(上の写真)のコーヒーを見て、何コーヒーだと思いますか?
「カフェオレ(or ラテ)」
「ミルクコーヒー(or コーヒー牛乳)」
「ソイオレ(or ラテ)」
10人中8〜9人はそのような答えになるでしょう。
つまり牛乳か豆乳を混ぜたコーヒーという見方です。
この答えはどこから来るかというと、記憶からですね。
「白濁したコーヒー」といえば、牛乳か豆乳を混ぜたコーヒーを飲んだか見たかの記憶があるからです。
では、正解は。写真を逆戻ししてみましょう。
スプーンを入れてみると、中から卵の黄身が出てきました。
そうです、これは「たまごコーヒー」です。
つまり、白濁していたのは卵の黄身によるものです。
出された時点では、見た目は普通のブラックコーヒーでした。
中に卵の黄身が沈んでいたのです。
高野山に行った時に「光海珈琲」と書かれた喫茶店に入り、メニューをみると「光海コーヒー」の下に「光海たまごコーヒー」と書いてありました。
「たまごコーヒー??」なんだか想像できませんでしたが惹かれるものがありました。
お店の人に「たまごコーヒーって、何ですか?」と訊いてみると、「コーヒーの中に卵の黄身が入っているコーヒーです」との答えが返ってきました。
それは今まで飲んだことがないことから、不安より興味が勝りオーダーしてみました。
それが写真のコーヒーです。
コーヒーの熱で黄身が固まらないうちに、素早くかき混ぜ飲んでみると、「あっ、これもありだな」という感じがしました。
黄身のコクがコーヒーをマイルドにして、牛乳で割った時とは味は異なりますが、こういう味が好きな人もいるだろうなと思いました。
今までの私の常識には無かったので、スコトーマ(盲点)が外れる体験でした。
それと同時に、私達はいつも記憶で物事を観て判断しているんだなということもリマインドされました。
「たまごコーヒー」を飲んだことも、見たことも、聞いたこともない人は、白濁したコーヒーを見ても決して「たまごコーヒー」とは思わないでしょう。
コーチは自分が記憶で物事を見て判断していることに気をつける必要があります。
それはクライアントを観察する時に見誤る可能性があるからです。
観察する相手が「たまごコーヒー」なのに、「コーヒー牛乳だな」なんて決めてかかると大変なことになります。
もしかしたら「コーヒー」ですらない可能性もあります。
かといって記憶で物事を見て判断することは避けられないものです。
そのため「コーヒー牛乳かもしれない」『でも違う可能性もある』という自分の判断とは違う可能性を常に意識しておくことが大切です。