講義をする時は、基本的に分かりやすく、コーチングの用語やその使い方を、概念同士の関係性を繋ぎながら説明するようにしています。
そのためか、嬉しいことに講義が分かりやすいとのフィードバックを頂くことも多くあります。
ただ分かりやすい講義をしようとした時に陥りがちな注意点もあります。
それは、受講者の現在の知識や理解力に寄り添いすぎると、受講者が過去の知識のみで理解しようとするため、分かったような気にはなりますが、本質的な理解に至らない可能性があることです。
その結果、結局新しい知識が増えていない、スコトーマも外れずれないということになりかねません。
例えば、本を選ぶ時も同じように、あまり分かりやすいと感じる本ばかり読んでいると分かった気になるけど、単に今までの知識をなぞっているだけとなっている可能性があります。
全く理解できない本も知識が増えないですが、理解できすぎる本もほとんど知識が増えていないものです。
スコトマを外し、新しい知識(概念)を手に入れるには、少し難しく感じる部分がある、理解できない用語があるものを選ぶ必要があるでしょう。
そのため、最近は分かりやすいだけでなく、その場ではすぐに分からない部分も併せて伝えていく必要があると感じています。
もちろん分からないとは言っても興味付けの工夫は必要だと思います。
興味があるけど今は分からないものであれば、それを理解しようと思考が動き始め、無意識が勝手に答えを探し求めます。
そして、ある瞬間にゲシュタルトができ、A-ha!と気づきが生まれます。
このA-ha!体験は、何とも言えない嬉しい瞬間でしょう。
A-ha!体験が起きる瞬間がいつかまではコントロールできませんが、講義を聞いて頂いている方には、そういうA-ha!体験が得られる機会を多く提供したいと考えて話しています。
実際にコーチとして活動して2〜3年後に、なるほど!こういうことかという話も織り交ぜて話しています。
そういった意味で、今日は直ぐには意味が分かりづらい話もあったかもしれませんが、これから起きるA-ha!体験の種まきになったとしたら嬉しく思います。