『マインドの教科書』の構成の都合上掲載できなかった「コラム」と「エピソード」の原稿があります。そちらを順次掲載していきたいと思います。『マインドの教科書』と共にお読みくださればと思います。
以下に掲載するのは、その中の4つ目のエピソードです。
エピソード「短期的な成功や変化には興味がない」
ルー・タイスとともにTPIという教育機関を40年前に創設し、共に運営してきた奥様のダイアン・タイスに質問したことがあります。
「世の中にはたくさんの自己変革プログラムと呼ばれるものがありますが、TPIのプログラムはそれらとは何が違うのですか?」
その質問に対して、ダイアンは「私達は、これを教育だと思ってやっています。その意味するところは、短期的な成功や一時的な変化には私達は興味がないということです。世の中の他のプログラムのほとんどは、一時的な変化しか起こさず、また元に戻ってしまうでしょう。私達は、その人にとって重要な変化が永続することに興味があります。その効果が持続するということです。それが、TPIのプログラムと他のプログラムとの違いです」との主旨の回答をしてくれました。
その回答を聞いたとき、私はその違いは、コンフォートゾーンが変わるかどうかの違いということだ、と理解しました。
私達は、コンフォートゾーンを無意識に維持しようとします。仮にコンフォートゾーンから外れた良い結果が出たとしても、また元の状態に戻ってしまいます。私達には生得的にホメオスタシス(恒常性維持機能)があるからです。
例えば、何かしらの結果を出させるために、賞罰を与えたとします。それによって、一時的には良い結果を出させることもできるでしょう。しかし、その賞罰が無くなった瞬間、また元のパフォーマンスを逆戻りしてしまうのです。
それは、コンフォートゾーン自体が変わっていないからです。自己イメージが変わっていないと言い換えても良いでしょう。自己イメージを変えずに、ただ外側から強制的に何かをやらせても、一時的な変化、短期的な成果しか出すことができません。
外側からの変化ではなく、内側から変化を起こす必要があります。
もし、高いパフォーマンスを求めるのであれば、パフォーマンスの原因であるコンフォートゾーン、そして自己イメージを高める必要があります。更には、自己イメージはセルフトークによって作られてきたのですから、セルフトークも変えていく必要があります。
そのように、TPIのプログラムは、パフォーマンスの原因に直接変更を加えていく方法論なので、効果が持続するのです。
今までとは全く違うレベルのパフォーマンスを継続させるのであれば、コンフォートゾーンを変えることができるアプローチが必要となります。
内側の変化を自らが起こすアプローチです。
これは、個人であっても、組織であっても同じことです。
『マインドの教科書』
田島大輔著
苫米地英人監修
開拓社
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