『マインドの教科書』の構成の都合上掲載できなかった「コラム」と「エピソード」の原稿があります。そちらを順次掲載していきたいと思います。『マインドの教科書』と共にお読みくださればと思います。
以下に掲載するのは、その中の5つ目のエピソードです。
エピソード「僕にはみんながいい人にしか見えないんだ」
ルー・タイスは、誰が見ても、誰に聞いても本当に「いい人」でした。誰に対しても信頼を寄せ、相手を尊重し、相手の可能性を信じる人でした。ルーと接した人は、自然と自分が大切な存在であると感じられました。
本当に人のことが好きで、すぐに誰とでも打ち解けてしまうようなフレンドリーさを持っていました。そして、相手もまたルーのことが好きになりました。
外から見ていてもルーが本当にいい人であることは感じられましたが、ある時、ルーが言ったことは、それを裏付けるものでした。
「僕にはみんながいい人にしか見えないんだ。」とルーは言いました。
「誰かが、あの人のここが悪いとか、こんなダメな奴だ、というような欠点や悪口にも取れることを私に対して言ってくることがあります。でも、私が知っているその人達は、私にとってはいい人にしか映らないんだ」
この話を聞いて、本当にルーはいい人なんだなと思いました。
ルーにとっては、全ての人に対して、その人の悪いところよりも、まず良いところが見えるのでしょう。それがルーのコンフォートゾーンだからです。みんな誰もが素晴らしいものを持っている、良いものを持っているというのがルーのコンフォートゾーンなのです。
私達はコンフォートゾーンの内側のものしか見えませんから、ルーにとっては、その人の良いところが自然と見えていたのでしょう。逆にそれ以外のものはスコトマになって見えなかったのでしょう。
ですから、ルーが誰かと接するとき、その相手はルーにとっては良いところを持った人物として映っていたはずです。
そして、ルーにそのように接せられた相手は、自然と自分の良さをルーに見せていたのだと思います。
誰もが尊敬の念を持ってルーのことを思い出し語るのは、そうやってルーによって自分の良さが自然と引き出され、自分が価値ある存在であると感じられたからでしょう。
『マインドの教科書』
田島大輔著
苫米地英人監修
開拓社
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