『マインドの教科書』の構成の都合上掲載できなかった「コラム」と「エピソード」の原稿があります。そちらを順次掲載していきたいと思います。『マインドの教科書』と共にお読みくださればと思います。
以下に掲載するのは、その中の6つ目のエピソードです。
エピソード「東日本大震災後の福島での講演会」
2011年9月5日に福島県でルー・タイスの特別講演会が行われました。
同年3月11日に発生した東日本大震災の被害状況については、その発生時からルー・タイスも非常に気にかけていました。
そして、ルー・タイスは、被災地の人たちの復興の力になりたいということで、福島県下の学生や教職員を集めた講演を行ないました。
その当時、ルーは、年に何回か日本に来て、プロフェッショナルコーチを養成する講座で講義したり、TPIEのプログラムのライブ講義をしていました。
ルー・タイスは2012年4月に亡くなられましたが、その半年前の2011年秋頃から体調が優れなくなり、それ以降来日が叶わなくなってしまいました。
そのため、その2011年9月5日の福島での講演会が、日本でルーが行った最後の講演会となりました。
私もその講演に同行させて頂きました。いま手元に、その講演会でルーが話してくれたことを書き留めたメモと写真があります。
・人には見えないもの、つまりスコトマ(心理的盲点)がある。
・我々にはスコトマがあるので、困難な状況においても「何を見逃しているのかだろうか?」、「絶対に方法はあるはずなので、何が見えないていないのだろうか?」と常に自らに問いかけることが大切だ。
・我々は真実ではなく信念によって物事を認識する。その信念は多くが周りの人から作られたもの。だから、Truthに異議を唱えること、信念を疑うことも重要である。
・我々は、三つの軸「言葉」「映像」「感情」で思考する。
・我々は映像に従って行動する。考えたことに引き寄せられる。セルフトークがその映像を作りだす。だからセルフトークをコントロールすることが大切だ。常になりたい自分にフォーカスすること。
ここで書き留めた内容は、話してくれたことの一部だと思います。
話してくれた内容そのものももちろん重要なものですが、もっと大切なことは、ルーがその場に立ち、そのことを身を持って示してくれたことでしょう。
つまり体現者としての非言語のメッセージを被災地の人たちに与えてくれたのだと思います。
今でもその時のルー・タイスを思い出すと、胸に熱いものが込み上げてきます。
体調は既に思わしくなかったと思いますが、目の前の子供たちや先生方に、大切なメッセージを伝えようと熱心に語りかけてくれたルーが今でもありありと思い出されます。
そのルーから伝わってきたエネルギーは、ルーの現状の外側のゴールから生み出し続けられたものなのでしょう。
そのエネルギーは時空を超えて今も多くの人の原動力となっています。
昨晩2月13日に福島県沖を震源とする大きな地震が発生しました。東京でも大きな揺れが長く続きました。震源を確認して被害が出ていませんようにと祈るばかりでしたが、少なからず影響を受けた方もいらっしゃると思います。被害を受けられた皆様には謹んでお見舞い申し上げます。
『マインドの教科書』
田島大輔著
苫米地英人監修
開拓社
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