まさにスコトーマ

先週、約2年ほど掛けて作成してきた組織向けコーチングプログラムである「コグニティブ・コーポレート・コーチング・プログラム(Cognitive Corporate Coaching Program)」のテキストを入稿しました。

約170ページにも及ぶテキスト作成は、校正を繰り返しながらの作業でもありました。

原稿に赤字を入れて、校正原稿を編集協力して頂いている方に渡し、修正が反映された原稿を再度チェックして、ブラッシュアップさせるとともに誤字や脱字などがないかも確認して、また赤字を入れて戻してと、何度繰り返してきたか分からないほど原稿を見てきました。

プログラムを学んで頂く方が理解しやすいようにと文章をより良い表現にするための変更は毎回必ずありますしそれは当然のことなのですが、何度見ても前回気づかなかった誤字や脱字も見つかりました。

誤植のない本は無いと言われるほど、本には誤植は付きものですが、それでも作成するからには誤字・脱字などは事前に取り去っておきたいものです。

複数の目でチェックしてもやはり最後まで誤字・脱字は見つかるものです。

それは誤字・脱字があっても、私たちはそれを頭のなかで無意識に補正して読んでしまうから起きることです。

そのような補正能力の高さは、凄さでもあり、見落としを生んだり可能性を阻む怖いものでもあります。

そのため、青少年向けコーチングプログラムであるPX2でも、人の認知の仕組みを知るために最初のステップでこのことを学びます。

私もPX2ファシリテーターとして何度もこのステップを扱ってきましたし、コーチとしても当然そのような補正する認知の仕組みを知っていますが、それでも実際にチェックする時には気づかない誤字・脱字がありました。

 

精度を高めるためにずっと校正作業を繰り返していきたいものですが、テキストを完成させる締め切りもあり、どこかで区切りを付ける必要もありました。

テキスト納品日から逆算して、それに間に合うように印刷するためには先週末がデットラインだったため、最後に複数の目でチェックして最後の赤字を入れ「責了」としました。

(責了とは、修正個所が少なく校正原稿をこれ以上確認しなくてもよい と判断した場合などに、修正と校任を印刷会社が持つことを前提に、発注者が校とすることです )

やっと校了したと、数ヶ月に亘るテキスト作成作業に一旦区切りがつき、後は印刷を待つだけだとホッとしていたら、編集協力をして頂いている方から連絡がありました。

それは「ストコーマ」となっている箇所が三箇所あるという指摘でした。

その部分は何度も何度も目にしてきたはずです。

もうビックリしてしまいました。

今までさんざんスコトーマが外れる体験をしてきましたが、今回ほど私にとって強烈な体験はありませんでした。

それは何度も何度も真剣に原稿を読んできたからこそとも言えます。

 

ストコーマ」ではなく、「コトーマ」が正解です。

scotoma

表題として大きな字で書かれ文章の中にも「ストコーマ」と書かれていたものがありました。

スコトーマ(Scotoma)とは、私達が認識できていないもの、つまり心理的な盲点を意味する言葉ですが、まさにそのスコトーマの表記自体がスコトーマになっていたのです。

なぜ、コーチングの創始者であるルー・タイスが一番初めにスコトーマの概念について私たちに教えるのか、そのことの重要性をより一層理解するとともに、ルー・タイスの慧眼にただ敬服するばかりの貴重な体験ともなりました。

この体験がコーチとして私を更に成長させてくれたと感謝しています。

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