掛け算

barista

バリスタの講座に参加しエスプレッソを淹れました。本格的なエスプレッソは業務用のマシンでないと抽出することが難しいものです。

今回、実際に業務用エスプレッソマシンを操作しエスプレッソを抽出できたことで、コーヒーに対するゲシュタルトが更に大きくなったように感じます。

エスプレッソは、極細に挽いたコーヒーの粉に9気圧という圧力を掛けて瞬間抽出した濃縮コーヒーです(エスプレッソという言葉は、イタリア語の「エクスプレス(急行)」からきています)。

1杯が約30ccでデミタスカップに抽出します。

カフェに行けば淹れる様子が見れますが、簡単そうに淹れていても美味しい味を一定に出すものは難しいものだと感じました。

抽出までに、ドーシング(グラインダーで挽いた粉をポルタフィルターに入れる)、レベリング(粉を平らにして均一に調整する)、タンピング(タンバーを使って粉が水平になるようにしっかりと押し固める)などの作業があります。

粉が均一に入っていない、粉を入れすぎ、押し固めが水平になっていない、抽出時間が数秒長短があるなど、一つの項目がダメでもエスプレッソが不味くなります。

まさに足し算ではなく、掛け算の世界です(これは通常のドリッパーを使った淹れ方でも同じですが)。

この掛け算は、淹れる時だけではなく、コーヒーの栽培から始まっています。

一杯のコーヒーできるまでに、

栽培×収穫×生産×買い付け×輸入×焙煎×販売×購入×保存×グラインド×抽出方法×抽出 (細かくはもっと要素があります)

と全ての要素が掛け算になって、美味しいコーヒーとなるかが決まります。

どこかで0や小数になってしまえば、それだけ味がガクンと落ちます。

コーヒーの面白さや奥深さは、この一連の「栽培からカップまで<From seed to cup>」の各要素が掛け算になっていることではないかと感じています。

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