未収録原稿【エピソード】コーチとして社会的な問題の解決に関わる

『マインドの教科書』の構成の都合上掲載できなかった「コラム」と「エピソード」の原稿があります。そちらを順次掲載していきたいと思います。『マインドの教科書』と共にお読みくださればと思います。

以下に掲載するのは、その中の2つ目のエピソードです。


エピソード「コーチとして社会的な問題の解決に関わる」

伝説のコーチであるルー・タイスは、各国の首脳やフォーチュン500のCEOなど各国のビジネスリーダー、オリンピックの金メダリストなどのトップアスリート、フットボールチームやアイスホッケーチームなどのスポーツチームなどをコーチとして成功に導きました。

パフォーマンスを高めるコーチとしての実績だけでも大変な業績ですが、ルー・タイスは社会的な問題解決に対しても積極的に活動を行いました。世界の紛争地域に自ら出向き、多大な貢献を果たしたのです。

北アイルランド宗教紛争の解決や南アフリカのアパルトヘイト政策の撤廃にも尽力されました。
更にロサンゼルスでは、荒廃した地域から暴力を追放し、安定化を目指す「ベターLAプロジェクト」をフットボールチームのヘッドコーチであるピート・キャロルとともに展開しました。そのプロジェクトでは、子供たちをギャングの脅威から守り、凶悪犯罪の低年齢化を抑制するために、自身の青少年向けプログラムPX2を提供しました。その結果、青少年同士の銃撃事件などの犯罪を激減させ、地域の活性化の実現に大きな貢献を果たしました。

このように社会的な問題解決にも力を発揮してきたルー・タイスですが、紛争地域の問題解決のための何かしらの資格を持っていたからその地に行ったわけではありません。解決のための具体的な方法が分かっていたから行ったのでもありません。誰かから呼ばれたから行ったわけでもありません。
全て自らがゴール設定をしてその地に乗り込んで、それらのコミュニティーの人たちが自分たちで問題解決できるように導いたのです。

 私たちは、なにか新しいことを始めるのに、「その資格はあるのか?」「達成方法は分かっているのか?」「誰かにお願いされたのか?」などと自らに問いかけることでしょう。そして、その資格を持っていないし、達成方法も分からない、誰に呼ばれたわけでもないと諦めてしまうことが多いでしょう。

しかしながら、社会的な問題解決に関わるのに、何かの資格が必要なのでしょうか?いや必要ないでしょう。
達成方法が分からないと、問題解決に関わってはいけないのでしょうか。そんなことはないはずです。これから見つけていけばいいからです。
誰かにお願いされないと行ってはいけないのでしょうか。そんなことも無いはずです。行く前に誰かに断られているわけではないからです。

ルー・タイスは、個人、団体、組織、コミュニティーなどあらゆるレベルのコーチとして、人々のスコトマを外して、その人達が自ら問題解決できるように導きました。

そのようにできたのは、ルー・タイスこそが、自らのマインドを上手に使って、自分と人々の持つ無限の可能性を信じて、資格や方法といったものにとらわれず、現状という枠の外側にゴール設定して飛び出していったからこそでしょう。


 

『マインドの教科書』
田島大輔著
苫米地英人監修
開拓社

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