未収録原稿【コラム】コーチングプログラムに求められる要素

『マインドの教科書』の構成の都合上掲載できなかった「コラム」と「エピソード」の原稿があります。そちらを順次掲載していきたいと思います。『マインドの教科書』と共にお読みくださればと思います。

以下に掲載するのは、その中の9つ目のコラムです。


コラム「コーチングプログラムに求められる要素(有効性と安全性)」

コーチングプログラムには、最低限どんな要素が求められるのでしょうか。ここでは、薬が何を目標に開発されるのかを見ることで、そのことを理解していきましょう。

まず薬に求められるものは「効力」です。効力とは、ある効果(例えば、血糖値を低下させる)を生じさせる能力のことです。

そもそも効力が無かったり、当初の目的の効力とは違っていたら、目的の薬としては機能しないでしょう(もちろん認可されないでしょう)。

次に「有効性」も必要となります。実際に使用する状況において、どれほど効くかということが重要です。臨床試験において「効力」が確認できていても、実際に使用する状況において実際に効くかどうかが重要です。

次に有効性があったとしても、「安全性」が確認できていないものは使用することはできないでしょう。極端な話、ある症状にはすごい効いたけど、死んでしまったでは困るわけです。

「有効性」と「安全性」が臨床試験等で確認できているからこそ、医師はその薬を患者に投与するのでしょうし、私たちは処方された薬や薬局で買った薬を安心して使うことができます。

この「有効性」と「安全性」という要素は、薬だけでなく、コーチングプログラムに対しても同様に求められるものです。

まず、もし「効力」がなく「有効性」もないのだとしたら、そもそもコーチングプログラムとしては、使用しても意味がないでしょう。
コーチングプログラムは、使う人のパファーマンスを改善し、ゴールを達成するために有効に機能することが求められます。

世の中にはある分野で成功をした人が、自身の成功要因だと考えるものを抽出して作成されたプログラムや方法論などがあります。
しかし、その人はその要因で上手くいったかも知れませんが、他の人にも有効に効くということは何も確認されていないことがほとんどです。また、そもそも成功要因の抽出そのものが間違っており、効力すらあやしいものもあります。

仮に効力があったとしても、臨床試験を行っているわけでなないので、サンプル数は本人の一つだけで、他の人が使った時の安全性も確かめられていないことがほとんどです。

マインドは目に見えないため、様々な人が思いつきでその使い方をアドバイスしたり、誰かから聞きかじったことを話したりしますが、本来は危険なことかもしれないのです。
有効性も安全性も確認できてない薬は危険なのと同じことです。

その点において、ルー・タイスのコーチングプログラムは、全世界で650万人の人が受講したプログラムであり、その有効性と安全性が40年かけて確認されてきたものです。臨床試験のサンプル数だとしたら相当な数になります。

本書で紹介しているコーチングプログラムは、ルー・タイスの単なる成功法則ではなく、その時々の科学者によって証拠が確かめられた方法論を取り入れています。そして、それを実際にたくさんの人が使い有効性と安全性が確かめられているからこそ、安心して使ってみて下さいと私も勧めることができます。

その上で、ルー・タイスのコーチングプログラムの使用上の注意があるとしたら、一部分だけを自分の都合よく切り出して他の物と混ぜて使うのではなく、プログラム全体の方法論を素直に使用するようにすることでしょう。


 

『マインドの教科書』
田島大輔著
苫米地英人監修
開拓社

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