全体から離れて独り歩きする’部分’

誰かの発言を取り上げて、賞賛や非難をする記事をよく見かけます。その記事だけを見て、その通りだと判断するのは危険が伴います。

大抵そういう記事では、誰かの発言のほんの一部(時には一言だけ)しか切り取られていません。

確かに、たった一言であっても不適切な発言であることもあります。

しかし重要なのは、全体であり、どういう全体の中でその部分(一言)が語られたかです。

全体の内容によっては、その部分である発言は、まったく正反対の意味になることがあります。

記事などを書く際に、誰かの発言の一部を切り取る時点で、切り取る人の何かしらの意図が働きます。

発言を切り取る人の全体と、話した人との全体がまったく正反対の主張であった場合、その部分の意味は正反対になってしまいます。

そして、その部分はいつの間にか、発言した人の全体を離れて独り歩きします。

部分の発言だけを切り取って非難や賞賛をしている記事を読む時は注意しましょう。

可能であればその部分(発言)が語られた全体を手に入れましょう。

部分だけで解釈しようとしないこと、全体との関係で部分の意味を捉えようとすること、これはコーチにとってクライアントを観る時にもとても重要になります。

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