Crisisの語源

‘Crisis’は日本語では「危機」と訳されることが一般的ですが、Crisisの語源が気になり調べてみました。

オンライン語源辞典であるOnline Etymology Dictionaryの’Crisis’の説明(※)をごく簡略化していうと、ギリシャ語(Krinein)という「決定、選別」、そこから転じてラテン語のKrisis「転換点、転機」を語源としているようです。

転換点は分岐点なので、その後は良い方向にも悪い方向にも向かう、両方の可能性があります。

そのため、英語のCrisisには事態が「良い状態または悪い状態に変わる転換点」という意味もあります。
(例えば、病気のcrisis(危機・峠)=turning point in a diseaseはその後、回復する方向にも悪化する方向にも向かいうる転換点という意味で使われます)

また、Crisisに当てられる日本語の「危機」は、危険と好機の合成語といわれており、危険か好機に分かれる転換点(分岐点)と言う意味を含んでいます。

‘Crisis’や「危機」という言葉は、一般的に悪い結果が予測されるような危険な時・状況を指して使われますが、その言葉の語源には、悪い方向だけではなく、良い方向にも向かいうる転機点という意味が含まれているという視点を持つことは大事なことだと感じました。

そして、Crisis=危機を迎えた時、どちらに向かうかを決めるのは、やはり(未来に指し示す)ゴール次第だということが言えるでしょう。

一般的にCrisis=危機を迎え、その後悪い方向に向かった場合は、その転換点の前の状態に戻ることをゴールとします(前の状態がコンフォートゾーンのため)。

果たしてそれが良い方向なのか、転換点の前より良い方向はないのかを考えることも重要になるでしょう。


Online Etymology Dictionary【crisis(n.)】

early 15c., from Latinized form of Greek krisis “turning point in a disease” (used as such by Hippocrates and Galen), literally “judgment, result of a trial, selection,”
from krinein “to separate, decide, judge,”
from PIE root *krei- “to sieve, discriminate, distinguish” (cognates: Greek  “to explain;”
Old English hriddel “sieve;”
Latin cribrum “sieve,” crimen “judgment, crime,” cernere (past participle cretus) “to sift, separate;”
Old Irish criathar, Old Welsh cruitr “sieve;”
Middle Irish crich “border, boundary”).
Transferred non-medical sense is 1620s in English. A German term for “mid-life crisis” is Torschlusspanik, literally “shut-door-panic,” fear of being on the wrong side of a closing gate.

【訳】
15世紀初期、ギリシャ語をラテン化したkrisis「疾病の転機」(ヒポクラテスやガレンが使用していた)、逐語的に「判断、裁判の結果、選択」
krinein「分ける、決定、判断」より
印欧基語(Proto-Indo=European)のkrei-「ふるう、差別、識別」(同語言語:ギリシャ語krinesthai「説明する」
古英語 hriddel「ふるう」
ラテン語 cribrum 「ふるう」、crimen 「判決、犯罪」、cernere (cretusの過去分詞)「ふるう、分ける」
中期アイルランド語の crich 「縁、境界」
英語で非医学的に使われ始めたのは西暦1620年代。ドイツ語の Torschlusspanik「中年危機」は逐語的に「遮断パニック」、閉じた門の悪い側にいることへの恐れ。

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